若武者が叩き、投げる
【10月5日、武者、観客一体の流鏑馬神事が盛大に】
当社で5日秋季例大祭が行われ、午後3時から恒例の「流鏑馬(やぶさめ)神事」(湖西市指定民俗無形文化財)が盛大に執り行われました。
一般的な流鏑馬は地上に設置した的を馬で駆けながら射るのですが、当社の流鏑馬は違います。

当社の流鏑馬は馬上の若者が疾走しながら、手に持った矢で地上3メートルほどに掲げられた杉板の的を矢の先方で叩き、その矢を観客席に投げ入れるのです。
当社はヤマトタケルを主祭神に戴いており、流鏑馬神事は彼が無敵の剣(草薙の剣)を愛するミヤズヒメに預け、弓矢だけで荒ぶる神を退治に出向いた神話をのもとに「霊験の矢」を再現しています。
この日は地区を代表する若者3人がかわるがわる計30回近く疾走しながら的を叩き、叩き終えた矢はいずれも間髪入れずに観客席に投げ入れました。
矢には神意が宿り、無病息災、家内安全などすべての願いを叶えてくれるとされています。待ち構えた参拝客は競うようにして矢を拾い、大切に持ち帰りました。

的叩き神事の露払いとして子どもたちの少年武者行列があり、かわいくもりりしい武者に惜しみない拍手が送られていました。
流鏑馬神事に先だって太鼓演舞の奉納が行われました。大太鼓を乗せた市場町と川尻町の屋台は正午過ぎ、ともに50人以上の氏子たちに引かれ急坂を登って境内へ。氏子全員が気息を整えた後、清らかな笛の音色が境内を包む中、勇壮なバチさばきを披露しました。



